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マフェトン理論

  

まずはマフェトン理論で

心拍トレーニングは、運動強度を設定し、その運動強度の範囲内で運動するトレーニングだということは説明しました。 では、実際のトレーニングではどの運動強度でどれぐらい練習すればいいのでしょうか。

まずは、『マフェトン理論』でのトレーニングをおすすめします。

マフェトン理論とは

マフェトン理論とは、フィリップ・マフェトン博士が提唱している『健康的な生活を送るための理論』です。 マフェトン理論は、心拍トレーニングと食事の2つの柱から成ります。 食事についてはここでは割愛し、心拍トレーニングについて説明します。

マフェトン理論の心拍トレーニングはとてもシンプルで 180 - 年齢 を目標心拍数として一日に30分以上運動するというものです。

その際に注意するのが運動前後にウォーミングアップとクーリングダウンを行い、それぞれに15分以上をかけて目標心拍数まで心拍を上昇、運動開始時の心拍数まで下降させるということです。

一日に30分の運動時間しか確保できないのであればウォーミングアップ後すぐにクーリングダウンすることになりますがそれで大丈夫です

31歳で40分確保できる場合

例えば、年齢が31歳で、運動時間が40分確保できる場合のトレーニングはどうなるのでしょうか。

運動開始時(自転車に乗車して停止している状態)の心拍数が100であれば1分ごとに心拍数を3ずつ上げて約16分間ウォーミングアップを行い心拍数を目標である149(180 - 31歳)まで上昇させます。

そして8分間、心拍数149を維持し、最後に逆に1分ごとに3ずつ心拍を下げて16分間のクーリングダウンを行い、運動開始時の心拍数100まで下げます。

ウォーミングアップ16分、目標心拍数維持8分、クーリングダウン16分で計40分となります。

マフェトン理論(つまりLSD)は土台を作る

マフェトン理論では、常に 180 - 年齢 が目標心拍数となっています(実際にはコンディションによって+/-の若干の補正を推奨しています)。

それだと、『様々ある運動能力の全てを鍛えることはできないのではないか』と思うことでしょう。 実はその通りで、マフェトン理論で鍛えられるのは基礎的な持久力の部分です。 しかし、そこが重要なのです。

ロードバイクに限らず、持久系スポーツのトレーニングではLSDという言葉がよく登場します。 LSDとはLong Slow Distanceの略で『長距離をゆっくり走る』というトレーニングのことです。 なぜ『長距離をゆっくり走る』ことが重要視されるのかというと、低強度の長時間の運動が基礎的な持久力を鍛えることが科学的に証明されているからです。

つまり、マフェトン理論に従ってトレーニングをするということは、持久系スポーツのトレーニングの主流であるLSDでトレーニングをするということでもあるのです。 ただ、マフェトンは30分以上の運動を推奨しているので、厳密にはLong Distanceとはならない場合もあるのですが、重要なのはSlowであるため気にする必要はありません。

トレーニングは、土台を造り、その上に一段階上の能力を積み上げていくピラミッド型の積み上げだとよく表現されます。 その土台を作るのが、マフェトン理論なのです。 そもそも、マフェトン理論はアスリートのための理論ではなく、健康的な生活を送るための理論なので、基礎持久力を鍛えることを目標としているのです。

マフェトン理論の実際

まずは、週に2日以上(できれば4日)、一日に30分以上(できれば1時間)の運動を、マフェトン理論で実施してみましょう。 早朝でもいいし、夕方や夜間でもいいので、ロードバイクに乗って30分以上走ればいいです。

ロードバイクに乗るのがベストですが、週末以外は無理だという場合は、ジムのエアロバイクでもウォーキングでも大丈夫です。

マフェトン理論の驚くべき効果を筆者は身をもって経験しています。 『ゆっくり走って速くなるなんて本当なのか』と思う人も多いでしょうが、まずはマフェトン理論を実践してみてください。

  

筆者のマフェトン理論の成果と課題

筆者は、マフェトン理論と出会う前は、汗だくになりながらガムシャラに走っていました。 しかし、ほとんどトレーニングの成果を感じることはできませんでした。 毎週末のようにトレーニングを重ねても、走行速度が全く向上しないのです。

そこで、持久系スポーツのトレーニングについて色々と調べてみたところ、『心拍トレーニング』が近年のトレーニングの主流であることを知りました。 また、心拍トレーニングでは、『マフェトン理論』に代表されるような低強度での運動がトレーニングの基礎であることを知りました。

最初は、『汗だくで走るより、ゆっくり走るほうが持久力が向上するなんて信じられない』と半信半疑でした。 しかし、実際にマフェトン理論を実践したところ、基礎持久力が向上し、走行速度がみるみる上がっていきました。

基礎持久力の向上を体感

マフェトン理論でのトレーニングを開始してから約1年後に『霞ヶ浦一周サイクリング大会』に參加しました。 『霞ヶ浦一周サイクリング大会』は約90kmを走る大会で、マフェトン理論によるトレーニングを開始する前は、完走に3時間25分かかっていました

しかし、マフェトン理論でのトレーニング後は、2時間50分で完走することができました。 しかも、心肺にはかなりの余裕がありました

なお、『心肺にかなりの余裕があるなら、もっと記録を縮めればよかったじゃないか』と思うかもしれませんが、筋力がついてこれなかったのです。 速度を上げると、脚の筋肉が痙攣しそうになるため、ペースを上げられませんでした。

筋力を向上せねば

霞ヶ浦一周サイクリング大会で『心肺機能の向上』を実感できたのは、大変喜ばしいことでした。 つまり、マフェトン理論の成果を実感できたということでもあります。

しかし、マフェトン理論だけではダメだということもわかりました。 マフェトン理論で基礎的な持久力は鍛えられましたが、筋力が鍛えられていなかったのです。

『もっと本格的な心拍トレーニングをしないといけない』ことを実感しました。

  

マフェトン理論のトレーニングの成果を確認するには

マフェトン理論のトレーニングの成果は、出力で確認することができます。 ロードバイクでの走行ならばスピードで、エアロバイクならワット数や消費カロリーで確認できます。

トレーニングを始めた時は心拍数150で25km/hでしか走れなかったとしても、トレーニングを積めば同じ心拍数で28km/h、30km/hとより早く走ることができるようになります。

 
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