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本格的な心拍トレーニング

  

より本格的な心拍トレーニング

マフェトン理論で基礎的な持久力を身につけたら、もう少し本格的なトレーニングに挑戦してみたくなることでしょう。

ここでは、マフェトン理論よりも本格的なトレーニングについて説明します。

  

まずは安静時心拍数と最大心拍数を調べる

本格的に心拍トレーニングを行うにあたり、まず行わなければならないのが、安静時心拍数、最大心拍数の測定です。

安静時心拍数と最大心拍数とは

安静時心拍数とは、最もリラックスしている状態での心拍数のことです。 起床後に体を横たえたままの状態が最も正確な値です。

最大心拍数とは、最も激しく心臓が鼓動している状態での心拍数のことです。 一般的に 220 - 年齢 が平均値だと言われています。

  
220 - 年齡は普段あまり運動しない人の計算方法です。

安静時心拍数と最大心拍数を活用する

安静時心拍数と最大心拍数を測定する理由は、運動強度に対応する心拍数を算出する指標とするためです。

心拍数というのはエンジンの回転数と同じようなものですが、回転数の範囲は人によりそれぞれ異なります。 そのため、誰にでも当てはまる心拍数と運動強度の対応計算式というものは存在しません。

そこで、安静時心拍数を運動強度0%、最大心拍数を運動強度100%と考えて、運動強度(%)から心拍数を計算します。 例えば、安静時心拍数が60で、最大心拍数が180だとすると、強運動度60%は、

((180 - 60) * 0.6) + 60 = 132

となります。 ちなみに、安静時心拍数はトレーニングを行っていれば徐々に下がってくるもので、運動能力の指標にもなります。

安静時心拍数は、普段運動をあまり行っていない人の場合は、60 〜 70が平均で、世界のトッププロロードレーサやオリンピックメダリストともなれば45を切る選手もいるといいます。

なお、最大心拍数の大小は人それぞれ生まれ持ったもので、運動能力の指標とはならないと聞きます。

安静時心拍数と最大心拍数を測定する

安静時心拍数は、起床後に体を横たえたまま測定します。 正確な心拍数を得るためには、目をつむったまま心身ともにリラックスした状態で数日間測定し、その平均値を計算します。

なお、起床後に心拍計を装着すると、その動作で心拍数が上昇するので、心拍計は就寝時に装着しておきましょう。

最大心拍数の測定は、まず15分かけてウォーミングアップを行って心拍数を 180 - 年齢 まで上昇させ、続けて1分間に心拍数を3ずつ上昇させ限界まで追い込みます。

なお、最大心拍数までの追い込みは、体への負担が非常に大きいので、普段運動していない人は実施せず、220 - 年齢 の計算式で算出するのが良いでしょう。

  
220 - 年齡は普段あまり運動しない人の計算方法です。
  

運動強度別トレーニング効果

運動強度と、その運動強度に対応するトレーニング効果について以下にまとめます。 なお、運動強度に対する心拍数は、安静時心拍数と最大心拍数から計算します。

例えば、安静時心拍数が60で、最大心拍数が180だとすると、運動強度50%は、

((180 - 60) * 0.5) + 60 = 心拍数120

となり、運動強度80%は、

((180 - 60) * 0.8) + 60 = 心拍数156

となります。

運動強度とトレーニング効果の一覧

略称 運動強度(%) 効果分類 効果 時間的配分(%)
RES 50% - 64% 回復 走行中の回復 LOWと合わせて60%
LOW 65% - 74% 持久力向上 毛細血管の増加
酸素摂取量の増加
脂肪酸代謝能力の向上
RESと合わせて60%
MID A 75% - 79% 持久筋増加 遅筋の増殖 20%
MID B 80% - 84% 心肺機能強化 酸素運搬能力の向上 10%
HI 85% - 89% 心肺機能の強化
筋力強化
心臓容積の拡大
心拍出量の増大
有酸素速筋の発達
5%
MAX 90% - 100% 乳酸耐性
乳酸分解
耐乳酸能力の向上
乳酸処理能力の向上
5%

時間的配分は、トレーニングに確保できる時間を、それぞれの強度にどの割合で配分するかという意味です。 例えば、週に10時間をトレーニングに使えるなら、6時間をRESとLOWに、2時間をMID Aに、1時間をMID Bに、30分をHIとMAXに配分します。

『トレーニングは、土台を造り、その上に一段階上の能力を積み上げていくピラミッド型の積み上げだ』とよく表現されます。 低強度の配分が大きく、高強度になるにつれて配分が下がっていますが、これはピラミッド型に積み上げるためです。

 
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